夫実家の資産は、動産は大したことないけど、先祖代々受け継がれている広い土地と、古いとはいえ立派な造りの家がある。
なぜか義弟夫婦は、私たちが遺産惜しさに同居を止めさせたがっているのだと邪推し、義弟嫁にいたっては、自分から泣きついて来たくせに、私を悪者にして責め立ててきた。
バカバカしくなった私たちは手を引き、夫は「遺産などビタ一文要らん。
全部お前たちに任せた。その代わり、何があってもこちらに迷惑掛けるな」と言い渡した。
義弟は妙なテンションで「俺が本家、兄さんたちは勘当」宣言し、3DKのマンションで引き取り同居開始。
その後3年間は、ウトの法事にすら呼ばれない、行っても拒絶されるほどの絶縁ぶりだった。
ところが去年、義弟嫁が私に泣きついてきた。
今更何を言うかと着拒してもよかったんだけど、つい気になって聞いてしまった。
いわく、義弟は親孝行な息子をしたがるが、実際の世話は義弟嫁に丸投げ。
思春期に突然好きでもない祖母との同居を強いられたせいか、息子の反抗期が酷い。
トメが病気で老い先短いと言うから我慢していたけど、都会の病院でよく調べたら全然大したことない病気だった…
おまけにトメまで、自分のしたことは忘れきって、夫に愚痴電話をかけてきた。
「ここでは全然大事にしてもらえない、孫ちゃんは私のことを臭い、汚いと言うの、
この間はお友達に、『うちの婆に早くタヒんでほしい』って、真顔で言ってたのよぅ~」だと。
甥の精神状態が心配だけど、そのセリフにスカッとした気持ちも、少しだけある。
我ながら性格悪いと思うけど。
こんな状態で、義弟が考え付いた解決策が、今は空き家になっている実家をリフォームして人に貸し、ついでに広い庭の半分を潰して駐車場にして、収入を得る事。
それで息子の進学資金を確保し、小遣いもあげれば、全部お祖母ちゃんのお陰だと感謝して、
仲良くなるに違いない!というのが、義弟の「名案」だったらしい
そして相変わらず暴走ぎみの義弟は、またしても相談もなく実行開始…したところで判明した衝撃の事実。
土地も家も、所有者はウト兄だった。