「それ、確かに一点ものだけど、クレイシルバーで私の手づくりよ。石も祖母の割れた帯留めを磨いたの。」
事情を他の親戚からこの詰問の間に聞いた数名の親族は目が吊り上がってきていた。
それでもFは指輪は自分のだ、お嫁さんが嘘をついてると突っぱねていたが、ここでお嫁さんがなぜか墨を持ってきた。
指輪を無理矢理に外させて、それをドボンと墨に付けて、その辺にあった紙に押し付けてぐりぐり。
で、指輪をあげてみると・・・・私の名前がデザイン化された字体で現れた。
「最初からこういうデザインで、この子の名前を隠していたの。タヒんだ主人といつかバレたときも笑い話になるようにってね。こんなことに役立つとは思わなかったけど。」
その後、私に詫びを入れるよりも先に、FダンナとFは離婚。
田舎だから、親戚全部につまはじきされるよりも、泥棒の嫁を切った方が早かったんだと思う。
親権は父親。Fは田舎にいられなくなって実両親共々引っ越し。
慰謝料もそこそこの金額をFの両親からいただいた・・・
指輪はお嫁さんが綺麗にしてくれて戻ってきたからお金はいらなかったんだけどね。
(お嫁さんは美大出身だったらしい。知らなかったわ)
先週、そのお嫁さんが従兄弟の元へ旅立ったんで、思い出した話。
ドロした時は親族ではないからこちらに書き込んだ。すいません。