そんなクリステルはベテランさんとも気が合い、ほかの人からのうけも
よかった。
でも予想通り、アントンはクリステルを嫌ってた。
常に先輩面して、クリステルに雑用を押し付けてた。
クリステルはアントンに理不尽な事言われても常に温厚だった。
私もこんな人になりたいと思った。
常に『出来る女』を演じてたアントンは、自分の方が仕事が出来て
上の立場だと思っていた。
アントンのポジティブさも見習おうと思った。
クリステルの歓迎会の日、設計部に問題発生。
設計の修正箇所を電話で聞いていたアントンの連絡ミスで、
大慌てで修正することになったらしい。
今更アントンを責めても逆切れされるのは分かっているので、
皆何も言わなかった。
なので、クリステルの歓迎会は営業部だけでやる事になった。
もちろんお店はいつもの居酒屋さん。
アントンが居ないせいか、クリステルが良い人過ぎるせいか、
とても楽しい時間を過ごしていた。
何か昔に戻ったみたいで嬉しかった。
が、なぜかアントンが登場した。
後で設計の人に聞いた話によると、アントンは自分が行かないと
始まらないと言い出したらしい。
クリステルの歓迎会なのに・・・。
皆がバタバタしてるのに、「部下の歓迎会には出る!」と言い張ってたらしい。
部下ってなに?部署違うし。
『出来る女』の妄想が設計部の部長くらいまで出世したようだ。
でも、皆アントンが居ないほうが仕事が捗るので行かせたらしい。
こっちはいい迷惑だった。
来たか…
アントンは、来るなり「やっぱりまたこの店かぁ」と言った。
帰ればいいのにと思った。
クリステルは大人の対応で、「お忙しい所ありがとうございます」って
言ってた。
ベテランさんは、ニヤニヤしながらスルメの天ぷら食べてた。
アントンはまた不味いと言いながらもまたワインをがぶ飲みしてた。
スルメの天ぷらって一般的なん?
>>108
どうなんですかね?
でも、結構頼みますよ。
あれ大好きです。
>>111
スルメの件はいいよ、この際w
しばらく経つと、アントンがご立腹。
今日はクリステルの歓迎会なので、皆がクリステルを主役にするのは
当たり前なのに、アントンはそれが気に入らなかったらしい。
いきなりクリステルにあれこれ質問しだした。
前はどんな仕事をしてたのか。
実家は何をしてるのか。
出身はどこか。
結婚はしてるのか。などなど。
この質疑応答で、それまで不機嫌だったアントンが急に元気になった。
理由はクリステルが片親で育てられて、高校卒業後すぐ働き出した。
結婚はしているが、旦那さんは出張が多いということ。
その後のアントンは、今まで以上に本当に最低だった。
片親で育ったって事は貧乏だったんだろうとか、高卒でちゃんとした
知識はあるのかとか。
旦那は絶対ほかに女がいるとか、子供出来ないなら結婚してる意味ないから
離婚しろとか。
私は始めて人を殴りたいと思った。
酔った勢いとはいえ、言っちゃいけない事がある。
こいつ本当に極悪人だと思った。
周りもいい加減にしろと止めていた。
そんな時でもクリステルは大人の対応をしていた。
私は何だか泣きそうになってきた。
ベテランさんはビールをピッチャーで注文してた。
ベテランさん良い味出すね〜ww
ベテランさんいいなw
今からアントン殴ってくる
ベテランさん
ピッチャーのビールをアントンにあびせる。そういうのを希望
空気の悪いなか、アントンはそんな事全く気にせず、
自分の金持ち自慢や大学時代の事を話していた。
クリステルがトイレに立ったすきに、アントンが上座を占領してた。
アントンはずっとしゃべってた。うるさかった。
昔から、ブランド物のバッグしか持ったことがない。
クリステルが使っているようなバッグはスーパーの袋と一緒。
一回使ったら捨てるのが私の基本。
パリスヒルトンでもそんな事しない。ほんとバカだと思った。
気づけばアントンの側には私しかおらず、皆はクリステルが席を立ったと
同時にちょっとづつ席を移動してた。
ベテランさんはピッチャーを受け取りながら私に、「飲み物来たぞー」と
助け舟を出してくれた。
アントンから離れピッチャーを受け取ろうとした瞬間ベテランさんが
アントンの方へビールをぶちまけた。
>>88
さっそくきたなw
>>88は神
ア「ウギャー!ちょっと!何してのよ!ウギャー!」
ベ「ごぉめぇーん。私酔ってるみたいやわぁ」
ビショビショになり喚くアントン。
急に酔っ払いになったベテランさん。
トイレから帰ってきて呆然とその光景を見詰めるクリステル。
私とほかの人はキョロキョロしてた。