受動喫煙「日本の対策時代遅れ」WHO幹部

受動喫煙対策の違う2つの都市を比較し、健康状態と飲食店の売り上げを比較しています。

“アルゼンチン北部に位置するサンタフェ州は、2006年8月から公共の場所では完全に禁煙とする厳しい規制を導入した。たばこを吸った人や、それを知りながらやめさせなかったレストランやバーを通報するホットラインまでもが設けられた。

 規制に違反すると、喫煙者当人のみならず、黙認した店舗も罰金を支払わなくてはならない。さらに、最終的に店舗は閉鎖に追い込まれるという極めて厳しい措置が取られた。

 一方、同じ時期、アルゼンチンの首都であるブエノスアイレス市は、レストランやバーに換気装置を設置すれば喫煙してもよいという緩い規制を導入した。”

 

“この研究が示した結果は実に興味深い。2つの地域では規制が導入された後も喫煙率は変化しなかったことが示された。喫煙者は規制が導入されたとしても、たばこを吸うのをやめなかったのである。

 それにもかかわらず、厳しい規制を導入したサンタフェ州(介入群)では心筋梗塞による入院患者がブエノスアイレス市よりも13%も低くなった(図表1)。つまり、たばこを吸っていた当人ではなく、受動喫煙を強いられていた人々の健康状態が改善したと考えられる。”

 

“実はアルゼンチンの研究は、健康面だけでなく、「喫煙」と「地域の経済」のあいだの関係も明らかにしている。規制の厳しいサンタフェ州(介入群)と緩いブエノスアイレス市(対照群)のレストランやバーの売上を比較したその後の研究では、2つの地域の売上に統計的に有意な差がなかったことが示されている(「有意な差がなかった」というのは、その差が偶然による誤差の範囲で説明できてしまうということだ)。”

 

アルゼンチンだけの調査だけではなく、アメリカでも複数の州や都市で同様の規制が導入されていますが、その研究からレストランやバーの売り上げだけでなく、ホテルや施工業界の売上にも影響を与えないことが明らかになっています(ブエノスアイレスやアメリカの複数の都市では飲食店の全面禁煙によって逆に店の売上が増加したことが示唆されている)。

 

この研究から、ブエノスアイレス市のように部分的な受動喫煙防止策では、たばこを吸わない人々を受動喫煙の被害から守るだけの十分な効果が得られないことがわかります。

 

“世界保健機関(WHO)のダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は7日、厚生労働省で記者会見し、屋内の受動喫煙対策について「喫煙室を設けても完全には受動喫煙を防げない」と述べた。喫煙室から煙が漏れるのを完全には防げないなどの科学的データを示し、「例外のない完全禁煙でなければならない」と強調した。”

 

今後の日本の受動喫煙対策はどうなるのでしょうか?

“日本たばこ産業(JT)の「全国たばこ喫煙者率調査 2016年」(5月調査。対象は全国20歳以上の男女約3万2000人。有効回答率61.2%)によると、男女を合わせた喫煙者率は前年に比べて0.6ポイント減の19.3%となり、過去最低を更新。女性の喫煙者は微増したが、男性の喫煙率は29.7%で1965年の調査開始以来、初めて3割を切った。”

 

健康意識の高まりや高齢化の進展、価格の値上げなどの影響で、たばこを吸う人が減っていることは間違いないようです。
喫煙者には肩身の狭い時代になりそうです。

出典:https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170407-00000088-nnn-soci
出典:http://diamond.jp/articles/-/118726
出典:http://www.j-cast.com/2016/10/15280794.html?p=all
出典:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG07HFL_X00C17A4CR8000/
出典:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-05-002.html

 

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