最近妻が明るくなった→俺(ウワキか‥?尾行してみよう)→行先はなんと、実家!→俺(まさか親父とフ○ンとかありえないよなwww)→結果・・・

 

何の事は無い。
ウチの母親と妻が楽しそうに笑ってた。
母の昔の服だろうか、それを妻に着せて仲の良い女子高生のように笑ってる2人がいた。
ショックだったのは、妻が俺が見た事のないような、心底楽しそうな顔で笑っていた事。
また母も、そんな妻を本当に自分の娘のように接していた事。
(俺は少しマザコンの気がある)

 

俺に気付いた母に、なんだあんた会社どうしたの? 言われ、一瞬しどろもどろになった。
その時に見たんだ、妻が俺を一瞬、疎ましそうに見たのを。
あれは絶対に間違いじゃない。
ああ、顧客回りのついでに寄ったんだ、と嘘をついてすぐに退散した。

 

夕方まで漫画喫茶などで時間を潰して、母親に電話した。
俺「いつの間に仲良くなってたの? 妻の事、暗くて話しにくいって言ってたじゃない?」
母「最初そう思ったけど、とってもいい子よ。やっぱり女の子は華やかでいいわね〜」
俺「(イラッ)まあ、たまに行く分ならいいけど、家事もあるし……」
母「何言ってるの、最近毎日来てくれてるわよ。最初は嫌だったけど、今は大歓迎よ〜」

 

母親曰く、俺が頼んだ届け物の時に仲良くなったらしい。
おどおどする妻に困ったけど、母がご飯を作ってあげたら美味しい美味しいと半泣きになったそうだ。
妻は母に、自分は昔から実母に虐待されていた事、ご飯も弟の残りみたいなものしかくれなかった事、一生懸命働いたバイト代もほとんど取られた事、高校も辞めさせられそうになった事、一度も自分に笑いかけてくれなかった事、などを泣きながら話したそうだ。

 

母はこの泣き落としに見事に引っ掛かって、
「本当の母親と思って甘えていいわよ」
と言ったらしい。
それを妻は真に受けて、週1が週3になり、ほぼ毎日通うような状況になったらしい。
母は夏には一緒に旅行しようって言ってるの〜、とか最後に言っていた。
俺は黙って電話を切った。

 

夜。帰ると妻は鼻歌交じりに夕食の用意をしていた。
俺は黙ってメシを平らげた。
そういえば母の味に似てきた気がする。
母は昔の仕事上、料理はプロ級なのでまだ及ばないけど。
俺は妻に最近、俺の母さんと仲が良いらしいな? と聞いてみた。
するとしゃべるしゃべる。
どれだけお義母さんが優しくて素敵か、見た事ないようなテンションで。

 

俺はイライラしながら数分聞いていたが、おもむろに言った。
俺「俺の母に会うのは週に一回な。毎日は許さん」

 

妻「・・なんで? 嫌よそんなの!!」  ……正直、俺は驚いた。初めて俺に逆らったからだ。
俺「なんでじゃないだろう。専業は家にいるのが仕事だ。職場放棄するな!」

 

妻「絶対に嫌よ。なんでお義母さんに会えなくなるの?」
俺「お義母さんじゃない。お前と俺の母は他人。俺とは夫婦。どっちを優先するかわかるだろ?」

 

妻「嫌よ、絶対嫌! あなただけのお母さんだけじゃない、私のお義母さんでもあるもん!」
 ……子供みたいにごね始めた。俺は胃がむかむかしてきた。つい嘘をついた。
俺「母さんは誰にも優しいから相手してるけど、本当は毎日相手するの嫌がってたよ」

 

妻は一瞬ぽかんとした顔をして、そんな事ない、そんな事ないと泣き始めた。

 

俺「まあ、週に一回くらいなら構わないから。…GWにどっか遊びに行こう?」
妻「…嫌。お義母さんと会いたい」 俺の中で何かがプチン、と切れた音がした。

 

つい罵声を浴びせ続けてしまった。
捨て猫分際で恩を忘れやがって、とか、帰りたければ実家に帰れよ、また定規で叩かれるぞ!、とか・・・

 

引用:MOJOLICA MOJORCA
画像出典:photo AC

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