大学生の頃貧乏旅行した時の話。
半日電車に乗っていて深夜てっぺん近くに関西本線の某駅で降りた。
何もない田舎なんだけど、翌朝行きたい史跡の最寄りだから、ここの近くのネカフェに泊まろうと思って調べたらネカフェあるにはあるんだけど、駅からちょっと遠いんだ。
仕方ないから重いショルダーバッグ担いで線路沿いの暗い道をよたよた歩いてた。
街灯がチラホラ立ってたんで、真っ暗ではなかったんだが人通りも開いてる店もなくてちょっと怖かった。
15分くらい歩いていると、先の方が林みたいになっていて木の影がたくさん見えた。
うわ嫌だなあと思ったが、今更引き返せないし腹くくってそのま歩き続けた。
だんだん林が近付いてくる。
街灯もこの辺りには立ってなくて真っ暗。
だからそろそろ携帯のライトを付けなきゃなと思い始めた頃だった。
林の向こうからヘッドライトが見えた。
近づいてきてタクシーだと判った。
空車みたいだ。
手を上げようかと思ったが金ギリギリしかなくて、ネカフェまでいくらかかるか不安だったから迷った。
ああ通り過ぎちゃうと思ったら、すれ違う時に不自然にスピードを落としたんだよ。
あれっと思って運転席を見ると髭面のおっさんがこっちを見て何か合図してるの。
車の進行方向(つまり俺が来た方)を指差してその後左方を指差した・・・