嫁は、パソコンを起動した。
”にゅう癌・エコー画像”でググッて、出てきたにゅう癌の画像を俺に見せながら、
「これよりもっと大きな影だった。末期かも知れない。」
と、低い声でつぶやいた。
俺は、真っ暗な部屋で光るディスプレイに映し出された不気味な黒い影を見つめながら
「俺がしっかりしないと!」
と自分に言い聞かせた。
当日は、嫁のショックを考えて、俺も一緒に結果を聞くことにした。
名前を呼ばれて診察室に入ると、机の前にエコー画像が4枚並んでいる。
その中の2枚には、嫁が言っていたとおり、いびつな黒い影が不気味に広がっていた。
この前触ったしこりよりも相当デカい。
(こんなに進行していたとは!しかも両ムネに広がっているなんて・・・)
さすがの俺もこれにはショックを隠しきれなかった。
ところが、俺たちの心配もよそに医者の言葉は、
「特に心配ありません。」
というあっさりとしたものだった・・・