娘は嫁の実家に来て以来はじめて大声をあげて泣いた。
「ママんとこ行きたいー おうちに帰りたいー おうち帰るー」ってずっと叫んでいた。
娘にとっては大好きな母親と暮らしたあの家だけが「自分のおうち」だった。
今まで言えなかった思いが噴き出して狂ったように朝まで泣き叫んでいた。
驚いて起きてきた祖父母も悟ったらしく一緒に泣いていた。
娘に「もう頑張らなくていいんだよ。おうちに帰ろうね」
と約束して抱きしめて一緒に泣いた。
医局を辞める決意をしたよ。
娘を連れ帰ると決めたので、少しでも娘と一緒にいる為に。