そうして時が過ぎ、私の小学校入学が目前となり、
普通の小学校は無理なんじゃないかと大人たちが話していた頃に
車椅子に乗ってガリガリになった母が訪ねてきた。
母は私のことを見てワンワン泣いた。
何度も何度も無事で良かったとつぶやいた。
大きくなってから聞いたんだけど、
母を突き落としたのは近所のたーちゃんだった。
母は誰かに後ろから押され、咄嗟の判断で私の手を離したらしい。
転がって落ちる過程で全てがスローモーションで見て
、たーちゃんが手を突き出した状態で立っていたこと。
そのまま私の後ろに立ったので、
私まで突き落とされると思ったことを話してくれた。
たーちゃんは私が遠くに行ってから、家のハムスターをコロしたりして
問題行動を繰り返していたことを父から聞いた。
母の意識が戻ってから、たーちゃんと話す機会を作ってたらしく、
なんで押したのか聞いたら
「押して転んだら中から何が出てくるのかなと思った」
と言われた。
私が普通の学校に行ったのと入れ違いで
たーちゃんが病院にかかるようになったらしい。
たーちゃんの親たちは私達親子を恨んでいて、
一時期すごく嫌がらせをされた。