単身赴任の俺『急だけど帰ってきた』嫁「悪いけど、ホテルにでも泊ってくれない?」俺『は?何で?』嫁「部屋が散らかってる。30分後ならいいよ」→30分後、家に入ると・・・

89: 61 2006/05/13(土) 13:55:14 0
バスルームでシャワーを浴びながら涙が幾つもこぼれた。
「何で?どうして?」頭の中を幾つもの疑問が駆け巡った。
考えても仕方が無い、そう思えるまでの時間がどれだけだったのかわからないが、
とりあえずバスルームを出て、
鏡の前に立った俺の顔は、酷く醜く見え、
鏡を叩き割りたい衝動に駆られ、
次の瞬間には、鏡は粉々に砕けていた。
棚にある化粧瓶やらムースやらスプレーを床に叩き付け、
トイレットペーパーや月経用品を引っ張り出し、
バスルームの扉を蹴りつけ変形させた。
ひとしきり暴れ回り、気が済むと着るものが無い事に気が付いた。
引っくり返した脱衣籠の中から昨日着ていた多少汗臭い肌着を取り出していた時、
決定的なあるものを見つけた。

 

90: 名無しさんといつまでも一緒 2006/05/13(土) 13:56:02 0
ドキドキ・・

 

 
91: 名無しさんといつまでも一緒 2006/05/13(土) 13:57:56 0
読み応えのある文章だなあ。区切る場所も上手いし。

 

93: 61 2006/05/13(土) 14:18:44 0
暴れ回った所為で、汚物入れがこけてしまい、中が飛び出ていた。
それは、さっき元妻が自分で言ったティッシュにくるまれた「使用済みのスキン」だった。
正直、もうどうでも良くなっていた俺は、衣服を身に付けると、
テーブルに顔を伏せた状態の元妻に言った。
「悪いけど、かなり散らかしちゃったんで片付けといて」
バスルームから響いてきた色んなものの壊れる音を耳にしていたであろう元妻は、
「何で、自分でちゃんと片付けてよ!無茶苦茶して!」
「ああ、無茶苦茶したおかげで、イイモノも見つけたよ」
顔を起こし、俺の顔を睨み付ける元妻に対して、言葉を続けた。
「お前がさっき言ってた使用済み、誰のかわかんねーし、気持ち悪くて触れないんだ」
途端に元妻の顔色が蒼白になる。
「離婚届は、郵送で送っとくから役所に出しといてくれる?」
それだけ言うと、俺はスーツを身に纏った。
「そうそう荷物は、近日中に業者に取りに来させる。実家には適当に言っといて」
なるべく元妻の顔を見ないようにそれだけ言うと、
俺は朝一番では無くなった新幹線に乗るために最寄駅に向かった。

 

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