あの後色々とどたばたして大変だった。
間上司の専務昇進は無くなったよ、間上司は地方の支店に支店長として移動が決まる。
支店長とは言っても支店でも格下の支店でね、本来なら営業所扱いされても不思議ではないのだが、体裁が悪いってんで一応支店扱いされている支店なんだ。
まあそこに移動になったので、もう間上司が本社に戻って来る事はない。
後間上司と間奥さんは離婚協議に入った。間奥さんには息子二人がいるんだけど、二人共大学を卒業して、独立をしたからもう夫婦である事に拘る必要はないらしい。
息子二人には間奥さんから詳細な話が言って、息子二人は間奥さん側に付いた。
私の方は総務部への移動事例が出たよ、どうやら総務部で課長待遇のコンプライアンス担当になりそうだ。まあ昇進と言えば昇進なんだけどね。
上としては面倒な問題を起こした私を、面倒な役職に就けたくなったのだろうと邪推しているよ。
長女はカウンセリングの効果が出たのかは分からないけど、自分の部屋で寝る様にはなったよ。カウンセラーと児童福祉相談所の女性担当者が長女を諭してね、長女はやや落ち着きを取り戻しつつある。
間奥さんは長女の境遇に至って同情的で、必要なら自分が身元引受人として、長女を一時的に預かっても良いと言った。
でもそれは長女の方で断ってしまった。理由は自分が家に居ないと、ご飯を作れる人がいないから。
まあ故妻が事故死した後は長女が、家の家事の大半を一手に引き受けていたのも確かなんだけど・・・・
簡単な物なら私でも作れるが、次女は壊滅的に料理の才能はないし。
故妻と長女が次女に丁寧かつ丹念にホットケーキ作りを教えた事があってね、それでも駄目だった事があったんだよ。
「お父さん、食べてくれるよね」
次女が震える手で皿を出して来たのは未だにトラウマだ。
話が横道に逸れたね。
間上司は長女の出生の問題は終わった問題として、一向に取り合う気はない。
私としては間上司には長女への謝罪と、長女への十数年分の小遣い+お年玉を出して貰えれば、これ以上の責任の追求はする気はないのだが・・・・
現状はそれさえもされていない。
だから知人の弁護士とこれまでかかった長女の養育費を、間上司に請求するかどうかの話を始めている。
報告は以上だね。
追記
親子関係不在に関しては情けないけど長女の様子次第だ。
表面上は家の中は落ち着いてはいるのだけれど、次女が私と長女が二人きりでいるのを見ると不安顔になる。
次女には大丈夫だとは言ってはいるが、一度疑心暗鬼を持つと中々疑心暗鬼を払拭出来ない様だ。
間奥さんと児童福祉相談所の女性職員が、長女の悩みの話し相手になっているので助かっているよ。
後輩君はどうやら駄目見たいだ。落ち込みとやつれが酷い。
私も上司も後輩君に有給休暇を取る事を勧めているのだが・・・・
故妻に直接仕返しができなくて、残念な感じがする。