アントンは「今日はもう仕事出来る感じじゃないので帰ります」と
帰っていった。
が、すぐ戻ってきて友近さんに
「あんたな、私より年下や。口の利き方も知らんのか!
ちょっと設計できるからって調子のんな!」
と暴言を吐いて帰っていった。
ちなみに友近さんは27歳。
普通ならこの時点でクビ決定。
>>49
普通なら即クビだなwwww
皆、ムカついたりショック受けたり空気が凄く悪かった。
ベテランさんが皆に「嫌な事忘れる薬入れといたで」と
コーヒーを入れてあげてた。
やっぱりベテランさんは凄いと思った。
アントンがいないだけ、
うちは幸せな環境だと思いはじめた
営業は>>1一人でやってんの?
>>56
営業部は、営業さん3人です。
私は営業事務。
この時はまだユリさんがいたので、営業事務は2人でやってました。
次の日アントンは普通に出勤してきた。
昨日の事がなかったみたいに振舞ってた。
しかも、何があったのか凄くご機嫌さんだった。
友近さんにもお菓子とかあげてた。
普段から浮き沈みの激しい性格だったけど、ちょっと怖かった。
何でクビにならないのかもわからなくて、色んな意味で怖かった。
こんな感じのアントンだったので、アントンが席を外すたびに、
設計部からはアントンを外してくれと社長にお願いするようになった。
辞めさせるは無理だろうから、製造の工場で使ってはどうかという話もでた。
でも、ワンマン社長は、知り合いの人の娘さんという事もあり困っていた。
アントンはとりあえずデスクワークがしたいらしい。
そこでワンマン社長が出した答え。
「よし!営業部で頑張ってもらうから」
その時の皆の反応をみて、アントンが居なくても凍りつくんだなぁって思った。
35歳ってわりとみんな大人だと思ってた・・・
もちろん営業部は猛反対。
営業の方が電話・FAX・コピーや雑用が多いので絶対に無理だ。
しかもユリさんもまだ居るしベテランさんも手伝ってくれてるから、
充分だと訴えた。
けどそこはワンマン社長。聞いてくれるわけもない。
ってことで、次の週からアントンは営業部で仕事をすることになった。
ユリさんが何故か「何か・・・ごめんね」って謝ってきた。
私はちょっとお腹が痛くなった。
同じ部屋と言えども、部署が離れて喜んでいるのは友近さん。
友近さんは明日から週末まで、製造の工場の方へ会議で行くことに
なっていた。
だから、今日でアントンとの仕事は終わり。
あんなウキウキした友近さんは久しぶりに見た。
そんな友近さんにベテランさんが猪木の顔真似しながらガッツポーズしてた。
顔真似がちょっと上手くなってた。
ところが、次の日。
社長が営業部への異動を伝えるため、アントンを会議室によんだ。
しばらくしてバーンと会議室からアントンが飛び出してきた。
そして
「私はまだまだやり残した事があるんです!設計部も私が欠けると困ります!」
って、叫びだした。
皆が「え?何が?」って感じだった。
社長は悩んでた。
そして
「じゃ、これからも設計部で頑張ってもらおうかな」
って言った。
皆が「え?何で?」って感じだった。
結局、アントンはもとの設計部で仕事を始めた。
週明けの友近さんの唖然とした顔を今でも忘れられない。
普段は引き締まった顔なのに、その朝は稲中に出てきそうなユルイ顔になっていた。
そんなこんなでユリさんも辞め、月日は流れ、設計部の皆が諦めと絶望を感じ、
アントンの扱いにも慣れてきた頃、
営業部に新しい事務員さんが入ることになった。
慣れちゃうのかよw
私は一緒に仕事をする人なので、良い人がいいなぁっと思ってた。
この人も重要人物なので、名前を付けます。
とりあえず今回も綺麗な人だった。
雰囲気的に滝川クリステルみたいな人。
なので、クリステルにします。
クリステルも35歳。
アントン、ベテランさんと同い年。
クリステルは、性格温厚で覚えが早くしかも仕事が丁寧だった。
この才能の一つでもアントンにあげればいいのにって思った。
余談だけど、社長は「女は35歳から」って言ってた。
だから35歳がこんなに集まったのか、たまたまなのかは謎。
私1人お子様みたいでちょっと寂しかった。