社長の知り合い娘が入社。娘『覚えるの早い方やから』社長「…」→この娘のせいで社内はメチャクチャになり、ある日の飲み会で…

93: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:01:20.62 ID:3e8lTqdb0

ベテランさんが「ごめんごめん」と言いながらトイレにあったタオルでアントンを
拭いていた。

その後、お店にモップ借りて床とアントンの靴を拭いてた。

私たちも大将に布巾をかり、テーブルとか拭いた。

さすがのアントンもビショビショのままで居るわけにいかず、プリプリしながら
帰っていった。

 

 

95: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:02:46.84 ID:/Y+nWcoY0

急に酔っ払いになったベテランさんまじナイスwwwだがアントンのバカ親の力とか大丈夫なんだろか・・

 

94: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:02:06.35 ID:3e8lTqdb0

そのあと、ベテランさんは大将に

「ビショビショにしてごめんなさい。飲み物粗末にしてごめんなさい。」と
ひたすら謝っていた。

大将が笑顔で「気にせんでええよ」と言ってた。

ベテランさんはクリステルや私たちにも謝ってきた。

私は結構飲んでたせいか、何故か号泣してた。

アントン以外の人が良い人すぎて涙が止まらなかった。

大将にアイスを貰って、皆がタクシーに乗せてくれてお家に帰った。

 

 

97: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:03:35.44 ID:3e8lTqdb0

さすがに次の日アントンは休まなかったけど、ベテランさんにネチネチ
昨日の事を言ってた。

ベテランさんは素直に謝ってた。

謝ってるベテランさん見て、ちょっと心苦しくなった。

この日のアントンはいつも以上に不機嫌だったけど、営業さんが
買ってきたケーキを食べたら機嫌良くなった。

人数分のケーキなのに、外出してた営業さんの分まで食べてた。

それから数日間アントンはちょくちょく問題を起こしたけど、皆普通に過ごしてた。

皆大人だと思った。

 

101: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:04:55.80 ID:3e8lTqdb0

クリステルは前の会社でやっていたとかで、営業事務はもちろん
経理や人事・総務などオールマイティな人だった。

ベテランさんと凄く気が合うらしく、2人は仲が良かった。

よく私と友近さんも誘ってくれて、4人で飲みに行ってた。

ベテランさんとクリステルは「ほんと私たち不良主婦だねぇ」って言ってた。

何回に一度は社交辞令でアントンも誘ったけど、「彼氏と会うから」と言って来なかった。

しかも皆に聞こえるくらい大きい声で言ってた。

ブスでデブで性格悪いうえに難聴かと思った。

 

 

102: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:06:21.77 ID:3e8lTqdb0

ここまでで分かると思うけど、アントンには良い所がひとつもない。

如いて言うなら、親が金持ちって事だけ。

この金持ちっていうのも嘘かと思ってたけど、社長曰くこれは本当らしい。

そんなアントンにある朝一番「飲みに行こう」と誘われた。

しかも二人きり。

 

 

103: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:07:00.62 ID:MlkTbHS10

朝から二人とはまた重いな

 

104: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:07:20.17 ID:3e8lTqdb0

もちろん即答で「無理です。用事あります。」って行ったけど聞く耳持たず。

助けを求めようと周りを見るとベテランさんが口パクで「行って来い」って言った。

クリステルは何故か指でOKサインしてた。

友近さんはニヤニヤしながらPCの画面に向かってた。

 

 

105: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:08:39.74 ID:3e8lTqdb0

午前中は仕事が手につかなかった。

基本、女性陣はお弁当持ちだったので休憩室で食べてたんだけど、
金持ちアントンだけはいつも外食してた。

4人になった時、あのOKサインと「行って来い」の意味を聞いた。

すると、友近さんがとんでもない事を言い出した。

「アントンは営業に好きな人おんねんで」

全く意味が分からなかった。

 

 

107: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:09:21.94 ID:3e8lTqdb0

まず、アントンには彼氏がいるはず。

3人からプロポーズをされてるはず。

100歩譲ってそれが嘘だとしても、今までの醜態を見せてて

好きになるも何もないもんだ。バカかと思った。

しかも、なぜ私がアントンと2人で飲みに行かないといけないのか。

全く意味が分からなかった。

 
109: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:10:33.48 ID:3e8lTqdb0

話を詳しく聞いてみると、アントンが好きなのは私の隣の席の営業さんだった。

これといって芸能人に似てる人がいないので、「営業男」ってよびます。
営業男は32歳、独身。まぁシュッとした感じの人。

どうしてそれが分かったのか聞くと、皆が「見ればわかる」と言ってた。

大人だなぁって思った。

ベテランさんとクリステルは、アントンもきっと一人で寂しいはず。
自分達にはあまり話しかけてこないけど、晴美(私です)は気に入られるようだから、
ちょっとでも歩み寄ってやろうじゃないかと、他人任せだけど大人な考えを言ってきた。

 

 

112: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:12:35.02 ID:2GqM5NoR0

てっきりアントンが>>1の事を好きなのかと思った

 

116: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:13:56.46 ID:3e8lTqdb0

>>112
もしそうだったら、今頃生きてません。

 

113: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:13:23.98 ID:3e8lTqdb0

友近さんは、「本当にアントンに恋人が出来れば、心落ち着いて良い人になるはず」

という結論を出していたけど、どう考えても生贄になる営業男が可哀想だった。

どうしても営業男を生贄にするのかと聞くと、
「片思いでもいい。好きな人が側で仕事をしてるだけで落ち着くかもしれない」という。

とりあえずアントンの相談を受けて、適当に立ち回れ。もちろん力は貸すからと。

友近さん1人張り切っていた。

 

 

117: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:14:28.05 ID:3e8lTqdb0

35歳達は、「あんまりいらん事したらあかんで」って心配そうだった。

人の恋愛感情を弄ぶのは禁止とも言われた。

でも私は友近さん命令で生贄となった。

 

 

118: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:15:00.47 ID:3e8lTqdb0

しょうがないので、その日の帰りアントンと飲みに行った。

アントンは本当に金だけはあるらしく、結構高そうな店に連れて行ってくれた。

まずはビールとワインで乾杯。

料理を注文しようとメニューを見てみると、本当にお高い。

ふとアントンを見ると、キモイくらい目を細めて煙草に火を付けてた。

結局、スルメの天ぷらはなかったから適当に頼んだ。

 

 

119: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:15:42.08 ID:3e8lTqdb0

注文も済み店員さんが消え、二人きりになった時アントンが言い出した。

「晴美、あんたにちょっと相談があるねん」

キタ!と思ってアントンを見ると、遠い目をしていた。

クリステルがやると、絶対見惚れるくらいキレイな表情だと思った。

でも相手はアントン。バカにしか見えない。

しかも口から煙草の煙が出て微妙に鼻の穴に吸い込まれてた。

心の中で「ザキ」って呟いた。

 

 

120: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:16:22.86 ID:3e8lTqdb0

話が長かったので適当に端折って書くと、

営業男が好きだ。
今までの男は飽きたので振った。
お前は営業男と仲が良いんだから、なんとかしろ。

って事だった。

たったこれだけの内容を2時間に渡って話された。

 

 

121: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:17:31.54 ID:3e8lTqdb0

確かに席が隣なので、結構仲はいい。

でも、私と営業男の話の中で一番盛り上がるネタは
アントンのガンガンドスドスだったり、アントンのクリステルいじめだったりする。

営業男も本当に可哀想だなぁって思った。何の特徴もないけど良い人なのに。

早く帰りたかった私は「じゃ、協力しますよ」と言って話を終わらそうとしたけど、
アントンは営業男の良い所を延々と話続けた。

 

 

123: 名も無き被検体774号+ 2012/09/08(土) 11:18:04.85 ID:3e8lTqdb0

やっと開放されて携帯を見ると、友近さんからメールが来てた。

「どうでしたか?帰ったら電話下さい」

どうでもいい情報だけど、友近さんはメールになると、標準語&敬語になる。

しょうがないので、電話して報告した。

友近さんは「あんたの今後にかかってるんやで。頑張ってや」って他人事だった。

とにかく大好きな皆のために頑張ろうと思った。

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