「俺くん?
なーに?どうしたの?」
―なぁ、お前昨日の夜何してたの?
「え?
言ったじゃん、先輩とごはん行ってた。
最後の誕生日デザートがねぇ、すごくかわいくてね」
言葉に詰まる様子もなく、べらべらと嘘の話をするA子。
なんかもう、女なんか本気で信用できないと思ってしまった。
―あのさぁ、俺知ってるんだよ、もう。
全部知ってるんだよ。
正直に言えよ。
「え?
なに、意味わかんない、笑
何が??」
俺はどうしてもA子の口から白状させたかったのだが、A子はしらばっくれるばかりだった。
―□□さん(先日の相手のハンドルネーム)とはどうだった?
とうとう俺がその名前を出すと、A子はついに「え…っ」と動揺した声を上げた。
「え?なに?
意味わかんない、何の話?」
―だから、もう全部知ってるって言ったろ。
2万だっけ?
ずいぶん安い女だな。
「え、何。
携帯見たの?
最低最低最低最最低最低!」
混乱したように声を荒くするA子。
―お前の携帯を借りたときに…
「だから見たんでしょ!?
意味わかんない、ほんと意味わかんない。
なんなの、本当、最低」
俺の話を聞こうともしないA子。
埒があかないので、いったん電話を切った。
その日はA子からのコールバックもなく、このままフェードアウトだろうな、と考えていた。
が、翌日A子から着信が入った。