元夫『家政婦としてお前を雇う。給料は70万。家の中のことを全てやれ!』→私「どうしよう」夫『やれよ』私「わかった」→雇われた結果・・・

 

娘からスカイプでハワイにいまーす!と言われてこっちの家族はみな驚いた。
元夫のカナダでの仕事は事前に片付いてしまったので急遽ハワイにしたと言っていたけど、本当は最初から仕組んでいたんじゃないかと思う。
服や水/着はみな向こうで調達したらしい。
今にして思うとその辺りで実子と連れ子との間にじわじわと格差が生じつつあった。

 

あるとき夫の別宅マンションに泊まりでいって、帰ってきた時の娘達の興奮ぶりがその印象を決定付けた。
お台場の夜景が見えるとか、○○という芸能人にエレベーターで会ったとか、大学に行ったらそこを使ってもいいとか、他の三人の心情を考えずに二人の娘が話すのを聞きながら、私はどう対処していけば良いのか頭を抱えていた。

 

それから随分経ったあるとき、TVで遺書の正しい書き方という番組をリビングで家族で見た。

 

ホワイトを使ってはいけないとか訂正印が必要とか何とか色々とやっているのを見ながら、夫が「うちもちゃんとしておかないともめると困るな」と何気ない感じで言った。

 

すると実長女が「私たちは遺産放棄で良い」と言った。
「私たちは元父から遺産貰うから要らないよね」
と実次女を見ながらいうと、実次女も応じるように頷いた。

 

連れ子は複雑そうな顔をしていたが私は少しホッとしていた。
夫の元嫁が養育している長男も頭数に入れると権利を持つ子供は6人。
家のローンを払い終わったとしても6分割では殆ど何も残してやれないからだ。
たぶん夫もそう思っていたんじゃないかと思う。
しかし甘かった。

 

しばらくして元夫の車で帰ってきた娘たちは神妙な顔をして私たちの寝室に来た。
「やっぱり遺産放棄はしないから」と娘は言った。
「何かあったの?」
と私は聞いた。
「お前たちを連れていったからには、お母さんには財産を公平に分与する責任がある。そうでなければお前たちを送り出した俺の気持ちが報われない」
と言われたらしい。

 

自分の認識の甘さを恥じた。
私と夫は、大丈夫ちゃんと公平にするから心配しないでと笑って言った。
しかし娘たちはまだ複雑そうな顔をして立っていた。
まだ何かあるのかと私は聞いた。

 

引用:MOJOLICA MOJORCA
画像出典:photo AC

コメントしてね

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

お名前 *

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください